キッズルームえがお

 

あそびのしおり

 

〜1歳過ぎの子どもに対しての遊びの関り方〜

 

第一部【ちょっとむずかしい話】篇

 

第二部【子どもとの楽しい遊び方】篇

 

 

 

 

 

 

はじめに

 

こどものころは、何も考えなくても子どもの遊びをしていたのに

大人になると、どうして子どもと遊ぶのが大変になるのでしょうね。

 

本文では、第一部で【ちょっとむずかしい話】をさせていただいてから

第二部で【子どもとの楽しい遊び方(事例集)】を紹介しています。

 

お役に立てる範囲でご利用いただければと考えております。

では、どうぞご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【第一部】 ちょっとむずかしい話篇

遊びとは、そもそもなんなのか?(キッズルームえがおでは) 

 遊びとは、たのしくなること・うれしくなること・幸せに感じることです。

どんなに遊び方を覚えても、心から【たのしく・うれしく】

そして、【幸せ】を感じなければ『遊んでいるフリ』になってしまいます。

 

子どもと一緒に遊ぶとはどういうことなのか?

 一緒に遊んでいる子どもたちが、【たのしい・うれしい】と感じると共に大人も一緒に

【楽しい・嬉しい】と共に幸せを感じることです。ですが・・・

大人が子どもと一緒に遊んで楽しいと思える遊びは長くても30分から1時間程度です。

(それ以上、長続きするときは大人がその遊びを心から好きな場合だと思われます。)

つまり、大人側からすると子どもと一緒にいられる・触れ合えることに嬉しさや幸せは感じているのですが、遊びとしての楽しさの時間はそれ程持たないのが一般的です。

 

実際にどうやって遊んだらいいのか?

 もし1時間以上遊んで大人が遊びに飽きた姿を見せるよりは、30分本当に楽しそうに遊ぶ姿を見せてあげるほうが子どもにとっては大人に対する満足感は大きいのです。

そこで、遊ぶ時間を決めておいたり、自分の状態を把握して「疲れた」や「飽きてきた」と感じ始めたら、そこで遊びを区切ることが大切になってきます。

 ただ、大人の気持ちだけでなく、子どもの気持ちもあるので遊び始めや終わりは大人の思い通りにならないことが多いことも事実です。

1歳過ぎて一人遊びが充実してきた子どもに対して

 1歳過ぎて自分で一人遊びを楽しめるようになってきた子どもにとって【遊び】とは

大人に構ってほしい・甘えたいとは別の感情になってきます。

以下に、子どもの【こころ(満足感)】にみる大人の【関り】を紹介します。

 

満足感@自分(子ども)と同じ目線で大人が遊んでいること

【実際の関り方の例】以下【関り】

 子どもに直接話しかけるのではなく、遊んでいるオモチャに話しかけます。

【子どものこころの内面】以下【こころ】

 自分のしていることが正しいという安心感と一体感を感じます。

☞事例A(事例は第2部、以下同)へ

 

満足感A コミュニケーションが取れていると実感できる遊び

【関り】

 子どもの実際の場面に沿ったポジティブなごっこ遊びをします。

【こころ】

 人形を使って子どもの身の回りの出来事やうれしい出来事を再現することで

 人形や他のものに人物を投影することを覚えます。また客観的な見方を得ます。

 物語の世界で大人と子どもが一緒に遊ぶことでコミュニケーションを実感します。

☞事例Bへ

 

満足感B 自分が興味を持ったことを一緒にしている時

【関り】

 子どもが一人遊びをするのと同じように、大人が子どもの遊びでもいいですし

 子どもができそうな自分の趣味を子どもと一緒の空間で楽しみます。

※子どもが興味をもって近づいてきたときにはソフトに同じ遊びを促すのもgoodです。

【こころ】

 子どもは見てないようで、見てくれているものです。一人遊びをしている大人を

 意識することで、子ども自身一人遊び中に大人が意識してくれていると感じます。   

 また、大人を模倣することで新たなスキルを獲得していきます。

☞事例Cへ

 

1歳過ぎからメインとなるオモチャ

 この時期、男の子と女の子で好みのオモチャが変わってきますが、多くは大人に与えられたものや周りの人々(大人・こども含めて)の使っているもの、その時の表情・態度に影響を受けるので、子どもが手にもって遊べる安全なものなら何をオモチャにしても構いません。その中でも、特に子どもが遊びたがる人気のあるオモチャを紹介します。

@ボール&ふうせん  A車輪のついたオモチャ  Bままごとセット   ④人形  ⑤積み木・ブロック  ⑥音を鳴らすオモチャ  ⑦絵本

⑧パズル ⑨お絵かき・ぬりえ

☞使い方や遊び方の事例は第2部にて紹介します。

 

公園・大型遊具での遊び

 

まずは、子どもが好きだと思う一つの遊びから始めましょう。

 公園での遊びはじめのころは、いろいろな遊具に目が行きがちですが

他のお友達などを見て、試しているうちに特に好きなものが決まってきます。

「公園に来たけど、砂遊びしかしない」などのご意見も聞かれますが

遊び始めて慣れるまでは一つの遊びを心行くまで遊びこむのはいいことです。

 

徐々に子どもの興味を広げていってあげましょう。

 子どもの興味は目についたものへの関心とそれに触れる人たちの表情・行動から

生まれます。もし、自分で安心してそれができると判断できれば挑戦する確率は

増えていきます。子どもの一番の目安になるのはいつも一緒にいる保護者です。

なので遊んでいる姿を見せてあげて「おもしろいよ、だいじょうぶだよ」と

分からせてあげてください。興味の幅が広がっていくはずです。

 

ベンチで休むことも散歩するだけでも公園遊びの一つです。

 子どもにとっては、楽しく過ごす時間は【あそび】と成りえます。例えれば、

公園遊び自体が「公園ごっこ」になるのです。一つ一つの遊具を遊びと考えるのでなく

移動の最中も休憩中もすべてが「公園ごっこ」していると考えてもらえればと思います。

☞実際の公園・大型遊具の遊び方の事例は第2部にて紹介します。

 

 

 

 

第二部【子どもとの楽しい遊び方】篇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子どものこころ【満足感】にみる大人の【関り】

事例A 子どもと同じ目線での遊び方

背景)子どもがお人形で遊んでいます。

大人が遊んでいる子どもに対してかける言葉の例

「お人形さん、かわいいね。」☞「あかちゃん、かわいい」

「お人形遊びたのしい?」☞「あかちゃん、うれしそうだね」

「お人形さんにミルクあげてるの?」☞「うわ、おいしそう〜」

 

 左の例は子どもに対しての言葉かけになっているのですが、

☞から右の例はお人形「あかちゃん」に対しての言葉かけになっていると

お気づきでしょうか?

このちょっとした言葉の使い方で子どもの感じ方は違います。

 

 大人に構ってほしい・甘えたいときは左の例の接し方でいいのですが、一人遊びができている子に対して遊びの満足感を与えてあげるには右の例の接し方のほうがいいでしょう。自分と同じ目線でオモチャに向き合っていると感じてくれるからです。

 ボール遊びなどでも、一人で遊べるようになってきたら「できるかな?」と声をかけるよりは、「よし、いくよ!」などと一人前の相手として接してあげることで子どもの満足感は高まります。

 

事例B 子どもが大人とのコミュニケーションを感じる遊び方

背景)母親とこどもが一緒におままごとをしています。子どもが一人でお皿を出して遊んでいます。

母親「OOちゃん、なにしてるの?」「おかあさんもしたいなぁ〜」

「いれて、いれて!」

こども「いいよ」

 

 これでも、コミュニケーショは十分取れているように感じますが、遊んでない状態から途中で加わるという感じになってしまいます。もし、はじめから母親が子どもと一緒の遊びの場所にいた場合には、

母親「これもつかってくださ〜い」「おてつだいしま〜す」

 

と、お皿を渡してあげてあげたり、すでに子どもがしていることに対して

協力したりするように遊びに加わってあげると遊びとしてのコミュニケーションは高くなります。

 ただし、大人がお片付けが終わって子どものそばに行ってあげる場合や別の遊びからの切り替えのメリハリ(例えば一つ遊んだら片付けるご家庭など)を

求めるのであれば、先のコミュニケーションでも悪くはありません。

ただし、その場合はできるだけ事例Aで紹介したような子ども目線での接し方を取り入れながら関わってあげていただきたいと思います。

 

事例C 子どもが興味を持ったことを一緒にしてあげるには

背景)子どもがボールを投げて遊んでいます。

あなたなら、どうしますか?

 ここでは、ボールを投げていると紹介していますが子どもが興味をもって遊んでいることを一緒にするコツはすべて同じです。

それは、子どもの動き、しぐさ、表情を真似し、にっこりと微笑むことです。

もし、表情やしぐさが楽しそうでなかったら?

 その時は動きをダイナミックにしたり、ちょっとした変化をつけながら満面の笑みと楽し気なしぐさをしてあげてください。大人とくに保護者の正直な楽しみは子どもたちに伝わり、そのこころを楽しくします。ただし、大人が本気で楽しんでないときは逆効果になりますので、決して無理しないでください。

 

 また、大人がしていることを逆に興味を持ってもらうこともできます。

それは、大人が楽しそうに一人遊びしている姿を見せてあげることです。

子どもができそうな遊びをダイナミックにすることで子どもたちは同じことをしたくなります。なので大人が自分の好きな遊びを子どもと楽しむことができるのです。

 でも、子どもの遊びを正直言って、こころから楽しむことが難しいと思われてる方も多いと思います。そんな時は自分の趣味や好きなことで子どもにもできるようなことを見せてあげてもいいと思います。

 

1歳過ぎからのメインとなるオモチャの遊び方

 

@ボール&ふうせん

ボールを初めて使うときは、子どもの手元から近くの壁に転がしてあげるのから始まり、近距離から向かい合って転がしあうことでコミュニケーション遊びとなります。それが前提で1歳過ぎからはボールを高く放り上げるのを見せてあげると喜んで真似します。そしてキャッチボールへと繋がっていきます。

風船も同様ですが、ふわふわと浮かぶことでより空中に興味が広がります。

 

A車輪のついたオモチャ

手にもって動かすことで車輪がついているものはコロコロと動くことがわかります。ボールと同じく子どもの手元から押し出してあげたり、向かい合って転がしあっても楽しいです。紐をつけて引っ張る遊びは歩き慣れたころから楽しみ始めます。ごっこ遊びでは乗っているフリをしても楽しめます。

 

Bままごとセット

基本は食べ物オモチャの食べるフリです。「おいし〜」といって、にっこり笑って子どもと顔を見合わせる遊びだけで何分も時間を過ごせます。コップで「かんぱい」、ゴクゴク飲むふりも喜びます。年齢(月齢)が上がることでスプーンやフォーク、またご飯の用意などの遊びに広がっていきます。

 

④人形

人形としてでなく、赤ちゃんとして接するように遊んであげることで1歳過ぎの小さい子にもお姉ちゃん・お兄ちゃんとしての自覚が芽生えます。人形遊びの最中は、子どもをお姉ちゃん・お兄ちゃんとして声をかけてあげられるチャンスです。おままごとと一緒にごっこ遊びしたり、バギーに乗せてのお散歩でも大活躍します。動物などのぬいぐるみでも同じ使い方ができます。

 

⑤積木・ブロック

始めは積木の積み重ね、崩すの繰り返しだけで十分遊べます。ブロックはつなげるのを覚えると、それだけで楽しめるオモチャになります。大人の関りとしては積み木やブロックでお城やトンネルを作ってあげるほかに、車や動物と見立てて遊んであげることで、模倣して子どもも見立て遊びを覚えてくれます。

 

⑥音を鳴らして遊ぶオモチャ

音を鳴らして遊ぶオモチャがあったら、まずは使って見せてあげましょう。自分で真似するときができないときは、おててを添えて一緒に音を出してあげるといいでしょう。息を吹き込んで鳴らすオモチャは難易度が高いので月齢が高くなるまでは加えて遊ぶだけで十分です。音が出たらラッキーです。

 

 

 

⑦絵本

2歳近くになるまでは読んであげるのが基本ですが、噛んだり、少しヨレヨレになってもいいのなら厚いタイプの絵本を歩きなれた時期からマイ絵本として持たせてあげると本に対して親しみを持ちます。(布絵本なら0歳からOK)

※絵本の読み方 

絵本の言葉通り読まなくてもかまいません。話を短くしたり、すべて登場人物の会話調に読んでも子どもは喜んでくれます。子どもに読んで聞かせる前に何度か試しに読んでみることをお勧めします。

 

⑧パズル

ピースが大きくて手に取りやすいものや版の側にピースの絵がついているものだと月齢が低くても遊びやすいです。はじめは全くストレスなくできるものから始めて、様子を見て慣れてきたら、ほんのちょっと難しいものを出してあげると楽しみながら上達してくれます。

 

⑨お絵かき・ぬりえ

とにかくほめてあげることで絵を描くことを好きにさせてあげてください。絵をとっておいて飾ってあげるのもとてもいいことです。その場合、描いてあるものがわかるときは記入しておきましょう。子どもの喜びになります。一緒に大人がリンゴやバナナなど簡単なものを描いてあげると真似して描き方を覚えたり、ぬりえでははみ出さないことなどを大人の作品を見て学びます。

公園・大型遊具での遊び方

 

公園での遊び方

公園遊びは一つ一つの遊具で遊ぶと考えるのではなく、お家を出てから帰ってくるまでを一つの公園ごっことして考えてもらえるといいでしょう。

 

まだ1歳過ぎだと抱っこやバギーでの移動が多いと思いますが、お歌を唄ってあげたり、「まがりまーす」「青信号とおりまーす」など語りかけながら、公園まで向かったり、散歩やベンチでのおやつ・給水なども一つのごっこ遊びだと思って接してあげると子どもは喜んでくれます。

 

子どもが小さいうちは遊具では子どもの後ろから補助して一緒に遊ぶのが基本ですが、慣れてきて(2歳目安)少し離れても大丈夫な遊具なら大人が先に遊具に進んで、子どもを待つことで子どもに遊具への興味を持ってもらいうことができます。ただし、高いところに登ったり滑ったりするときには、子どもの上り下りする前には大人が1周して補助できるようにしておいてください。

 

年齢(月齢)が低いうちは安全第一で大人と子どもの距離は近く、子どもの成長に合わせて、少しずつ距離をとっていくことが大事になります。

 

 

大型遊具の遊び方

 

ブランコ

小さい子が落ちない作りになっているブランコでは揺らしてあげた後に、正面でタッチしてあげたり、隣のブランコに乗って一緒に楽しむといった遊び方があります。また、抱っこ紐状態で一緒にブランコに乗ったり、お膝にのせて一緒に楽しむこともできます。

 

滑り台(3歳児以上タイプのものを1,2歳が使うとき)

子どもが小さいうちは、登りは後ろから一緒に登ってあげるのが一番安全です。ただ、降りる時は一緒に滑ってくるか、先に大人が滑ってくるかのどちらかになるので少しの間、子どもと離れる時には危なくないか注意してください。

滑るときは確実に座ってから滑り始めることを教えてください。2歳近くになると一人でも登っていけるようになる子もいるので、新しい遊具に誘うときには大人が先に登ることも可能ですが様子に気を配りながらお願いします。

 

固定乗り物

年齢の低いうち、また初めての乗り物で動きがわからないうちは(バネがゆるくて大きく曲がるものもあります。)必ず補助してください。子ども一人で乗って大丈夫なときは、大人も隣のものに乗って競争ごっこしたりできます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キッズルームえがお5周年記念 小冊子

6年目もよろしくお願いいたします。

             2018年 6月1日 発行

2022年6月1日WEBにて再掲
今日からえがおは10年目^^





























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